誰でも一度はあるでしょう、服についた墨汁を見て絶句…という経験。
学校でのお習字の授業や習い事で、汚れないようにと気を付けているはずなのに、いつのまにか肘や袖口に付いている墨汁。実は衣類についたシミ抜き中でも、墨汁のシミ抜きはすごく手ごわいんです!汚してすぐに対応すれば、まだ落としやすいですが、学校や習い事で汚してしまった場合、家に帰ってくる頃には汚れが衣類に定着してしまい、その汚れを落とすには時間と手間がかかってしまいます。
というのも、墨汁は何にも溶けない「不溶性」だから。つまり、墨汁のシミの正体は黒い極小の粒なので、シミを落とすにはその極小の黒い粒を衣類の繊維から押し出すしかありません。さらには、落ちにくいからとゴシゴシこすると繊維の奥に入り込んでしまうのでとても厄介です。このような性質なので、漂白剤も効果的ではありません。
さらに最近の一般的な墨汁は、樹脂系といってカーボンと合成樹脂を水に混ぜた墨汁が主流となっています。樹脂系の墨汁は乾燥が早く、紙へ定着しやすいので墨汁としてはとても優秀ですが、合成樹脂は接着剤のような役割を持っているので、衣類につくシミとしては非常に厄介、ということです。では、どうすればいいのか…ここではどこのご家庭にもある身近なものを使用した、墨汁の落とし方をご紹介します。
歯磨き粉
歯磨き粉には研磨剤が含まれていることが多く、この研磨剤が墨汁を落としやすくしてくれます。
『歯磨き粉』を使った墨汁の落とし方
- 墨汁の汚れの部分のみ少しだけ湿らせ、歯磨き粉をつけた歯ブラシでこする。
- その部分のみ手でもみ洗ってすすぐ。
- 1と2の工程を何度か繰り返す。
ご飯粒
墨汁の細かい黒い粉をご飯粒の粘着力を利用して落とす方法です。
『ご飯粒』を使った墨汁の落とし方
- 墨汁の汚れの部分のみ少しだけ湿らせ、ご飯粒を数粒ずつ練りこんでいく。
- ご飯粒が黒くなったら洗い流す。
- 1と2の工程を何度か繰り返す。
固形石鹸
すぐに洗いたいのに炊いたお米がない!という場合は固形石鹸でも。
『固形石鹸』を使った墨汁の落とし方
- 墨汁の汚れの部分のみ少しだけ湿らせ、固形石鹸をこすりつける。
- 汚れが広がらないよう、外側から内側にむかってこすりつける。
- 滲みによって汚れが広がるのを防ぐため、いったん綺麗にすすぐ。
- 1と2と3の工程を何度か繰り返す。
★注意すること!
最も注意すべきことは、墨汁の汚れを広げないように洗うこと!こすったりすすいだりする工程で墨汁がにじむと、さらに大変になってしまいます。そこで気を付けたいのがこの2点です。
- 墨汁の汚れは外側から内側に向かって落とす。
- 滲みそうならすぐに水で洗い流す。
ただし、デリケートな素材や色柄物の衣類は、生地が傷んだり色落ちする場合があるので、目立たない部分でテストしてからの方が安心です。また、墨汁は衣類の素材によって落ちやすさが変わってきます。綿などの天然素材は墨を吸収しやすいので汚れを落とすのも大変ですが、ポリエステルのような化学繊維は比較的汚れが落としやすい素材です。
まとめ
お習字の授業や習い事があるときは、墨の汚れが目立ちにくい黒色のポリエステル素材の服を着ていくのがいいかもしれませんね。もしお子さんが衣類を墨汁で汚してしまったときは、捨てる前に一度、今回ご紹介した方法をお試しください!